2000年以降、地方の過疎化・高齢化は全国規模で大きな問題になっています。
新潟県では特に人口流出が深刻な問題で、今後30年で人口が30%も減少するとされています。20代30代の人口減少が酷く、10代のときに東京へ出た層が地元の新潟に戻ってこないことで、経済を回す層が減少しています。
この問題を解決する取り組みの一環として新潟はeスポーツ興行に乗り出しました。
2023年にIT企業・行政・教育の分野で協力して上越5e協議会(https://joetsu5e.jp/about/)を発足し、「e-business」「e-sports」「e-learning」「e-sightseeing」「e-healthcare」の5つのeを軸に人口流出問題の解決に取り組んでいます。
上越5e協議会
上越5e協議会は、新潟県が直面する人口流出問題の解決のために発足した組織です。「事業」「eスポーツ」「学習」「観光」「健康」の5つの分野に新たにIT技術を取り入れることで、若者の働き口を生み出そうというものです。
eスポーツ分野では、若者支援とシニア層の活性化を目的としています。eスポーツ介してを教育・医療分野の世代間交流を促したり、高齢者・障碍者施設でのeスポーツの活用を試みたりしています。
eスポーツは高齢者の認知症予防やリハビリテーションに貢献できると言われています。手先を器用に動かし、ゲームで脳を刺激するだけでなく、ゲームを通して若年層との交流を助けます。
さらに、観光産業とも協力しています。協議会自らがeスポーツ大会を開催するほか、大会の誘致を積極的に行っていく予定です。eスポーツはオンラインを主体として遊ぶことができるだけでなく、注目の大会はオフラインで開催されています。大きなオフライン大会を開催できるようになると県外からの観光客の導入への足掛かりとなるので、経済効果が期待されています。
既にeスポーツを楽しめるハイスペックな機器が導入されています。導入されているBenQのモニターはeスポーツ大会御用達の高品質ものです。さらに、ゲーミングPC最大手のGALLERIAのデスクトップPCが用意されています。ヘッドセット・マウス・キーボードはゲーミング周辺機器の最大手Logicool製のものです。
PCだけでなく、PS5やNintendo Switchといったゲーム専用ハード、ゲーミングチェア、VR、モーターゲーム用のハンドルコントローラーまで導入しています。設備の充実ぶりは地方行政のレベルを超えるレベルだと言えます。
上越5e協議会のeスポーツ分野の最終的な目標は、ブランドの確立・世代間交流・地域活性化となっています。すでにハイスペックな設備の導入が完了しており、協議会主催のeスポーツ大会を開催しています。eスポーツによる地方創生事業の先駆けとなることができるでしょうか。今後、eスポーツを使ってどのように課題を解決していくのか注目です。
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